ウィハン弦楽四重奏団はチェコを代表するカルテットのひとつである。「ウィハン」の名は、チェコの歴史的名楽団であるボヘミア弦楽四重奏団の創立者で、チェロ奏者でもある「ハヌシュ・ウィハン」の名を冠したものである。メンバーがプラハ芸術アカデミーの学生であった1985年に結成された。
1988年のプラハの春国際コンクール(第1位)優勝を皮切りに、トラーパニ国際室内楽コンクール第1位、大阪国際室内楽フェスタ銅賞等、多くのコンクールで受賞を重ね、91年ロンドン国際弦楽四重奏コンクールでは第1位及び聴衆賞に輝き、審査員長であった故Y.メニューインから激賞された。以後、ヨーロッパに留まらず全世界に活躍の場を広げており、日本ももちろんそのひとつ、95年の初来日時の彼らの演奏は、同年に来日した海外の著名な室内楽団をおさえて、95年度の“マイベストコンサート”(「音楽の友」誌)に堂々1位に推された。
ウィハン・カルテットはコンサート活動のみならずレコーディングにも積極的で、2008年のプラハにおいてベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏会のライブCDとDVDはニンバス・アライアンスより上梓され、多くの称賛を浴びた。お国もののスメタナ、ヤナーチェク、ドヴォルザーク等の作品も数多く録音、現代曲にも深い造詣を示しており、「インターナショナル・レコード・レビュー」は彼らを「今日の世界最高の弦楽四重奏団のひとつ」と絶賛した。
ウィハン弦楽四重奏団は本年(2025年)、結成40周年の節目の年を迎えており、「プラハの春・国際音楽祭」に出演のほか、多くのヨーロッパ諸国の記念演奏会に登場する。この楽団の大きな特徴は、何といってもメンバーが固定されていることである。1985年に結成され、2014年にヴィオラのヤクブ・チェピツキー、2018年にチェロのミハル・カニュカの両氏がそれぞれ創設時の奏者の後釜としてバトンを受け継いだ。40年ものキャリアの中で人事異動はこれ2回のみ、ヴァイオリン奏者の2人は結成当初からその座を張り続けている。この驚くべき一貫性が彼らに対する多くの賛辞の対象となっており、ニューヨーク・タイムズ紙は彼らの「固定メンバーによって築かれた信頼関係によるアンサンブル」に注目している。ヴィオラのヤクブ・チェピツキー氏はチェコの優れたヴァイオリン、そしてヴィオラの両方をこなす演奏家で、しかも第1ヴァイオリン奏者の御子息でもあり、この楽団にとっても極めて幸運である。一方、チェロのミハル・カニュカ氏は、ウィハンと同じ国、チェコのプラジャーク弦楽四重奏団のチェロ奏者として約40年活躍したのち、ウィハンに入団した。室内楽奏者のみならず、ソリストとしての活動、さらには「プラハの春・国際音楽祭」の中で、若手の登竜門としての音楽コンクールの常任委員長を務め、音楽祭自体の芸術委員としての重責を担っているなど、世界的チェリストとして揺るぎない地位を獲得している。ウィハン弦楽四重奏団の現在の4人のメンバーでの活動も7年が経過し、熟達したアンサンブルによる美しい響きにさらに磨きがかかってきた。
また今年は彼らの20回目の訪日公演の節目の年でもあり、結成40周年とのダブル記念コンサートとしての今回の日本公演は、これまでにも増して我が国のファンの期待に違わぬ、素晴らしいものになるであろう。
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